「Listen Without Prejudice, Vol.1/ジョージ・マイケル」 90年 評価4
ワム!自然消滅後のジョージのソロ2作目。前作は大ヒットし、そのワイルドで若さあふれる曲の数々はソロ転向後もジョージがアイドル視される元になっていたのだが、本作ではアルバム名からもわかるとおり、アーティストとしての勝負を賭けた作品となっている。ちなみに前作では何曲も名曲を収録してはいたが、いまいちの曲も多く、すでに消してしまった。
どの曲もメロディラインがしっかりしており、練りこまれた作りとで芸術性は高く、紛れもなくジョージが天才であることを証明する内容となっている。一方、口ずさめるような単純な活気というものが少なく、これという抜けた曲がないため、評価的にはこれ以上には達しない。
しかし本作後、ジョージと所属のソニーとの間でいざこざが起き、裁判が長期化したこともあって次作まで6年間の歳月が空くことになる。その後もゲイとして公然わいせつ罪で捕まったり、薬物保持で逮捕されたり、彼も音楽以外のいざこざで才能をつぶしてしまった。